久しぶりのピアノの調律の時に気を付けていること
こんにちは!
音楽とピアノ調律の研究室、Rumah Musica(ルマムジカ)です。
今日は、お客様から、『ちょっと間が空いてます』『昔使っていたピアノを譲っていただいて、どうやら10年ぶりの調律みたいです』と言われた際、我々が気を付けている事や考える事についてお話ししてみたいと思います。
おおよそかかる時間についてお話しする
初めましてのピアノ、久しぶりですのピアノを見せていただく際は、こまめに点検しているピアノよりも時間がかかります。
Rumah Musica(ルマムジカ)の場合、大体お掃除など含め、4時間見させていただいています。
お客様に、起こりうる断弦(弦の切断)についてお話しする
お客様に久しぶりのピアノ調律だと、弦が切れる可能性がありますよ、とお話しさせていただきます。
久しぶりのピアノは、弦をしばらく動かされていないために固着してしまっている可能性があります。
当然それを頭に入れて慎重に作業していますが、弦が切れてしまう事もゼロではありません。
ですので、お客様を驚かせてしまわないよう、お話しさせていただく事にしています。
お掃除は念入りにする
皆さんがどんなに大切にピアノをご自宅に保管して下さっていても、中のお掃除などは調律師でないと開けて行うことが出来ません。ですので、折角開けさせてもらったピアノは必ず掃除機で中の埃を吸って上げて、鍵盤の軸になっている金属部品は鍵盤の動きを妨げないよう、なるべく元の状態に近くなるように適宜拭き掃除なども行っています。
埃などがなくなる事でピアノ内部に不要な湿気を溜め込みにくくなり、虫などもあまり溜まり場にしなくなります。
お掃除のプロの方には及ばない事もたくさんあるんだろうなとは思いますが、好きな作業のひとつです。
動かない所がないかチェックする
理想は、全ての鍵盤を押した際に同じように中身も動いてくれる事ですが、ピアノも段々動きにバラつきが出て来る事があります。新品やそれに近いピアノは、そのリスクは少ないです。(ゼロではありません)その場合、お客様に費用と時間を了承いただけるか確認した上で、ご説明の上修理などの作業に取り掛かります。
動かない鍵盤は、現地の簡単な修理で直せる事も多いですのでご安心下さい!
雑音の有無をチェックする
ド と押したのに ド カチャ レ と押したのに レ キーン
そんな風に雑音が混じる場合、ピアノの内部に直せる不具合が隠れている事があります。
耳を澄ませてよく聴いて、ピアノがどんなトラブルを抱えているか確認します。
初めましても、お久しぶりですもどちらも嬉しい
初めて出会うピアノも、お久しぶりですのピアノも、どちらも嬉しいものです。
トラブルがあれば、『どうすれば心地よく音を鳴らしてくれるだろうか』と心を配る事が出来るし、弾き心地に変化があれば、『しばらく会わない間にどんな事があったんだい』と状態を見ながら予測する事も出来ます。
お客様に対しても同じで、初めましてのお客様もお久しぶりですのお客様も、お顔やお声でこちらが新しい発見をいただいたり、安心させていただく事がたくさんあります。
以上、今日は久しぶり(初めて)のピアノの調律の際に調律師が思っている事をお伝えさせていただきました!